劇薬博士の溺愛処方

 あーあ、とわざとらしく溜息をつく飛鷹に、琉はなんだよ、と不機嫌な表情を浮かべる。

「今年のクリスマス当直なんだよな。つまらん」
「いい気味だ」
「そういうお前は三葉ちゃんと?」
「平日だから大したことはしない」
「でも会うんでしょ?」

 ぽっ、と頬を赤らめる琉を見て、あーあ、と飛鷹は肩を落とす。
 そして負け惜しみのようにぽつりと呟いた。

「……それまでにすこしでも早漏が良くなればいいな」
「ああ。頑張る」

 誰が為の自慰かなど、決まっている。
 彼女の為、琉は早漏に負けるものかと決意を新たにするのであった。
 
 
   * * *
   
   
 ときは先週の金曜日の夜に舞い戻る――……


「ご、――ごめん」
「あ、謝らないでくださいっ。前より長かったし、わ……わたしも一緒に達けたから!」
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