劇薬博士の溺愛処方
 普通のデートを強調しつつ、琉は三葉を自分の思い通りに仕立て上げていく。
 クローゼットにしまいっぱなしだった一昔前の花柄ベロアの茶色のワンピースにグレー地に黒の水玉ドット模様が入ったタイツとこげ茶のロングブーツ、ベージュのファーコートにヴァーガンディーのベレー帽。はっきり言ってファッションセンスに自信はない。けれどせいいっぱいおめかしした三葉の姿を琉は喜んでくれた。そして、ランチを食べた後、ファミレスのトイレで着用してきた下着(普段通りの白レース)を没収された。なぜなら。


『――デートの間、ノーパンノーブラで過ごすこと』


「……せんせ」
「なにか言ったかい?」
「いじわる」
「ん?」
「……ぁんっ!」
< 83 / 116 >

この作品をシェア

pagetop