劇薬博士の溺愛処方
   * * *


「せんせ……もう、腰が無理……っ」
「……さすがに三発はがっつきすぎたな」

 三葉を拘束していたタイツをほどき、ぐったりしている彼女の前で、琉は苦笑する。
 毎週のように仕事帰りに落ちあって身体を重ねてはいるものの、こんな風に半日以上、長い時間をともに過ごしたのは初めてかもしれない。普通のデート、と言いながら無茶ぶりばかりしたというのに、三葉は素直に琉の要求を受け入れてくれる。

 ――一度のセックスで三回も射精するなど、童貞を卒業したばかりの学生でもないのに……

 きっと、目の前にいるのが三葉だからだろう。
 彼女は琉のことを劇薬みたいだと称するけれど、琉からすれば、三葉の方が危険極まりない毒薬だ。
 彼女が黙って姿を消したときに感じた絶望感は時折いまも彼を襲う。だからクリスマスの靴下、なんて言い訳をして彼女を拘束してしまった。縛られて身動きの取れない状態の彼女は思った通り、琉の劣情に火をつけた。
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