人間を好きになった、魔界の王の娘
「学校に入ろうとした奈未を連れて来たそうじゃないか」
「それは誰からの、連絡?」
「夢だ」
夢ちゃん、お兄ちゃんである悠翔君にも平気でうそをつくんだね
はぁ。とため息をついた、燿
「兄貴。アイツの事はそう簡単に信じない方がいい。
アイツが言ったその話も嘘だ」
「何?」
「学校に着いた途端、"奈未"にアイツは
自分は幼馴染だとも思ってないし、赤の他人だから
学校の中では話しかけるな。そう言って"先に"学校の中に入っていったのは
アイツだ。放課後も、奈未を1人で帰らせようとしていたのも知ってる。
自分は理事長とイチャつきたいがゆえについている嘘だ」
「何?」
「それに、学校について早々に男に絡まれているのも俺が知ってる」
「絡まれた、だと?」
「そ。男たち数人に。学校に行くのにあの道を
通っていて良かったね。兄貴。危うく連れ去られるかもしれないと思ったけど」
「!?」
「由香たちは、奈未を幼馴染として、ちゃんと見ている。
だけど、アイツは奈未を幼馴染だとも思ってないヤツのそばに
置いておくのは危険だと感じたから、この学校に来させただけ」
「そうか」