人間を好きになった、魔界の王の娘
「兄貴がアイツを可愛がって、信じて、信用してるのも知ってる。
誰よりも近くで兄貴を見てきたんだから。
だけど、弟として言っておく、アイツは、家族の中で1番信じちゃいけない人間だ」
「・・・。そうか」
そう言っていた悠翔君
「で、このブレスレットは」
「俺の。変なのに絡まれるよりは、いい男除けにはなるよ」
「そうだな。
この天然バカ娘には、それくらいでいいのかもな」
テンネン?バカムスメ?
「あ、そうだ。奈未に話しておかなくちゃいけない」
あたしに話?
「さっきの話」
「さっき?」
「クラスの出し物」
「あ、あぁ」
「出来たら、俺に見せてくれないかな?」
「燿に?」
「そ、俺に。そしたら当日もすぐに見つけ出してあげるよ」
はい!?
「アイツを探すのなんて御免だけど
奈未なら、全然探し出せるから」
「わ、分かった」