人間を好きになった、魔界の王の娘

「な、なんで」

顔が青ざめてきている夢ちゃんと一緒にいる子たち

「何で、あんたがそのブレスレットを、着けてるのよ!?」

ブレスレット?

「これ?"燿"がつけてろって」

「な!?」

「あの、燿君が」
「こんな子に・・・」

燿が言ってるのは、この事なのかもしれない

「そ、それを渡しなさいよ!」

あたしの腕に触ろうとしたときだった

「やっぱりな。お前はそうやって
俺が人に渡したものを奪い取る。
それを貰ったと嘘をついてな」

「ひ、燿!?」

「何で!?」

「何で?
忘れたわけじゃねぇだろ」

忘れたわけ?

「残念だけど、奈未をここまで連れてきたのは俺じゃない。兄貴だ
それに、知ってるだろ。俺の通ってるあの学校と
この学校が来年には一緒になるんだ。
今から見に来てたって可笑しくはない」

そうなの?

「だけど、お前がそうやってるなら話は別だ。
今年度で、この学校も終わるかもな。
そしたら、奈未は俺と同じ学校に通わせる。
夢、お前じゃなくて。奈未をだ」

「!?
どうしてよ!?兄妹だよ!?あたしたち。なのに
何で他人のこの子を入れて
妹である、あたしを入れないのよ!?」

「お前のその性格も付いた嘘も全部俺はもう、疲れてんだよ」
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