人間を好きになった、魔界の王の娘
そう思って、廊下を出ると
苦しそうな表情の燿をすぐに見つけることが出来た
「燿・・・?」
「奈未・・・か
変なところを見せちまったな」
「変なところ?」
「あぁ」
変なところなんて、どこにも無かったのに
燿は、あたしにそう言った。
「アイツにあぁ言ったのは、あの理事長が既婚者で
アイツがそれを分かっているのに離れようとしないからだ」
「え?」
「兄貴も分かってるんだ。
だけど、兄貴にとっちゃ、最初の妹で、兄貴が
1番あいつを嫌ってないことも知ってたからな。
だからこそ、兄貴にも知っておいてもらう必要があったんだ」
「じゃあ悠翔君には」
「兄貴にも伝えてある。だからこそ
さっきも言っただろ?あいつに味方はいないと」
そうだけど・・・
それじゃ、あまりにも・・・
「まだ、向こうの奥さんは知らないはずなんだ」
はず?
「それって」