人間を好きになった、魔界の王の娘

悠翔君、きっと今頃あの女の人と一緒なんだろうな
悠翔君との婚約も、ダメになるかもしれない

「奈未ちゃん?」

「ごめん、なさい」

「え?何がごめんって」

「奈未の服を身に行った帰りに
兄貴を見たんだ。女と一緒にいるところの兄貴の姿を」

「そう、だったの」

「そう。だから、鳳凰祭が終わるまで
こっちで預かろうと思って」

「そう。でも、学校はどうするの?」

あ・・・

「大丈夫。俺と一緒に行くから。
アイツじゃ、全然あてにならない」

「!?」

「妹なのに、あてにならないだなんて」

「本当の事だ。今日だって自分から言ったくせに
途中で放り出したような奴に、頼むことなんてない。
明日からもしばらくは同じ学校に通うことになるし
俺が一緒に行く」

「そう」

それでもって夕飯を食べようとしたときだった

「おい」

!?

「何で兄貴が帰って来てんの?」

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