人間を好きになった、魔界の王の娘
「何でじゃねぇ。こいつは連れて帰るぞ」
ぐいっと無理やり立たされたあたし
「やっ」
「何?」
あの女の人と一緒にいればいいじゃない
「兄貴。暫くこっちで預かるよ」
「夢の事があるって言うのにか」
夢ちゃんと一緒にいるっていう事なんだ
でも、今は悠翔君とも一緒にいたくない
「ここにいる」
「そうか」
帰ろうとした悠翔君の背中を見ていると
「きゃあ」
「うるせぇ」
担がれてしまったあたし。
担いでいるのは当然悠翔君で
「な、何で!?」
「あ?」
「こうでもしないと帰らねぇだろうが」
うぅ・・・
燿の方を見ると苦笑いをしながら手を振っているのが見える
家を出たと思ったら、朝と同じ車に放り込まれてしっかりと逃げられないように
シートベルトまで絞められてしまった
運転席に座った後思ったら
「ミスコンに出るんだってな」
「何で、知ってるの」
「夢から聞いた」
夢ちゃんから?
「元々アイツは出る気でいるみたいだが
夢から、お前も出るって聞いた」
「そっか」
「露出の少ない服にしとけよ」
?
どういう事?
でも、たしか、燿君が買った服を持っている気がするんだけど・・・