人間を好きになった、魔界の王の娘

「ま、どうせ服もまだ買ってないんだろう?」

買ってあるはずとはいえなくて、つい頷いてしまった
悠翔君の服の好みなんて分からないし
悠翔君に勝ってもらった服で出ればいいか。

そう考えていたあたしの考えは見事に次の日
燿の言葉によって打ち砕かれてしまった

「兄貴の好み?露出の多い女が多かった気がするけど」

はい!?

「だから、昨日買いに行ったんじゃん」

「あ・・・」

「何?兄貴と何か買う約束でも」

「どうせ買ってないだろって。今度の休みに買い物に・・・」

「なるほど。なら、兄貴の買った服も当日持ってきて」

当日?

「持ってこなかったら、不自然だし」

あ、そっか

「でも、着るのは俺が買ったあの服で行くから」

「う、うん」

くくっと笑っている燿には、寒気しかしないけど
それでも、何か策があっての事なのかもしれない

「兄貴がどう出てくるか、すげぇ楽しみだw」

「そんなに?」

「当り前だろ?まさか
昨日の昨日で迎えに来るとは思いもしなかったけど」

それはあたしも同じ意見だ
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