人間を好きになった、魔界の王の娘
9

鳳凰祭当日

「奈未」

「アキちゃん」

「おはよう。よく眠れた?」

「うーん」

悠翔君が女の人と一緒にいるのを見た日から
あたしは眠れなくなってしまった

「どれどれ」

そう、覗いてくるアキちゃんに苦笑いしかできないあたしは

「昨日よりはいいかもね。
でも、まだ少し隈が残ってるから
メイクした時に消してもらうか。。ミスコンが午後からだから
午前中、寝てきたらいいよ」

でも・・・

「クラスの役回りなんて、どうとにでも出来るから安心して」

そう言ってくれたアキちゃん

「ありがとう」

燿もまだ来ている様子はない。
と言うことは悠翔君もまだ来ていないのだろう

保健室のベッドで横になるとすぐに眠りに落ちてしまった
眠れないのは、自分が自分に弱いからだろうと
思い込ませるしかなくて

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