人間を好きになった、魔界の王の娘
「勝者、10番!」

はい?
あたしが夢ちゃんに勝ったと言うの?

「ちっ」

そう、舌打ちをしながら出て行った夢ちゃんと
いつも一緒にいる2人組

「だから言っただろ?アイツは勝てないって」

「そうだけど」

本当にあたしが勝つなんて思ってなかったんだもの
そう、思っているとさらに会場からは、
大きな声が聞こえて来た

「では、最後にドレスを着て来てもらいましょう!」

ドレス?

「これに着替えてきちゃって」

そう渡された紙袋

「これ?」

「そ。これ」

ドレスに着替えて燿のそばに来ると

「随分、可愛いじゃん」

可愛い?
そんな事、言われた事も無い
お母様にも、お父様にも
義理の兄弟にも
悠翔君にも・・・

「では、着替え終わったようです!
登場してもらいましょう」

そう言われて3人同時にステージに上がると
ガヤガヤとし始めた人たち

「では、3人には、後ろを向いてもらいましょう」

ウシロ?

後ろを振り向くと、ざわざわとし始めた人たち
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