人間を好きになった、魔界の王の娘
「あ?」
「で、俺が奈未と買いに行ったこの服しかなかったってわけ
兄貴にはドンピシャだったろ?」
「うぜぇ」
「・・・」
そんな風に思うなら、あんな風に連れ出さなくても
「あ、そうだ。奈未のお母さん今日帰るみたいだよ」
今日、帰るんだ。魔界に
「そっか」
「奈未。おばさん、寂しがってるよ」
え?
「ここ何カ月も奈未に会えてなくて。
俺やお袋の口からしか聞けない。奈未の情報に」
そんな事・・・
「奈未。今日くらい帰ってあげて」
「燿・・・?」
「おばさん、もう、帰ってこないんだって。これで」
!?
あたしも、お母様と話さなくちゃいけない。
そう言う時なのかもしれない