人間を好きになった、魔界の王の娘

「奈未」

「お母様?」

「私は魔界に帰るけど、これだけは忘れないで。
どこにいても誰といても。1人じゃないって事。
私は、奈未の味方よ」

「!?」

「悠翔君に、幸せにしてもらいなさい」

悠翔君に?
でも、悠翔君には、きっと彼女がいるかもしれないのに・・・

「奈未?」

はっとして、お母様たちの方を見ると
寂しそうな顔をしているお母様の姿があって

「はい。お母様」

「こっちなら、善がいるだろう」

善・・・か

「俺は善の方がよっぽどいい男だと思うがな」

お父様?

「それでも、お前が決めたことだ。
いつまでも言っていられないだろう
何かあればこっち(魔界)に帰ってきなさい
お前が、結婚するまでは、王族として残しておこう」

!?

「おとう・・・様?」

「善と婚約する気になったらいつでも帰ってきなさい」

善と、婚約すれば魔界に帰る。
悠翔君といれば、ここに残ることが出来る
そういう事なのだろう

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