人間を好きになった、魔界の王の娘

「夢ちゃんに破られたんです。ハサミで」

「は?」

「燿も同じことを言っているんですけど」

「そういえば、そんなことを言っていたな。
だからと言って、あんな露出した服を着なくてもいいだろう」

「あれがあたしの趣味だと?」

「何?」

「あたしは、別に着られればなんでもいい
ただ、ミスコンの為だけに、あの服を燿が用意してくれただけの事です」

あの服を普段着るかと聞かれれば
まずあたしは着ない
かと言って夢ちゃんに上げるかと聞かれれば
あげる気もない

「ふーん」

そっけない返事。
どうせ、あたしの事なんかどうでもいいくせに

「奈未」

「何?」

「さっきのとは別の話だ」

さっきの?

「ミスコンの話とは別の話だ」

「別の話?」

「お前の問題って言うのはなんだ」

あぁ
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