人間を好きになった、魔界の王の娘

「人間界の問題じゃない。
魔界の問題。だから、悠翔君の問題でもないの
これは、あたしと善の問題」

「何だと」

「同じ、魔界の住人同士の問題。
善に相談しなくちゃいけない問題でもあるから」

「善に、ねぇ」

「そう。だから、悠翔君には
話せない。話す事も出来ない」

「そうかよ。なら、もう勝手にしろ。
俺には関係のないことだ」

関係ない。か
そうね。関係ないよね
悠翔君は、あたしとの婚約もイヤイヤしているんだから

家から出て行ってしまった悠翔君。
きっと、家に帰って行ってしまったのだろう

「これでいい」

これでいいはずなのに・・・
本当は魔界の問題も、悠翔君には
言ってしまいたかった

「善の所に行かなくちゃ」

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