人間を好きになった、魔界の王の娘

「まだ、魔力が、回復しないのですか」

回復・・・か

「この魔力が回復するのは、限りなく低いと思っているの。
だからこそ、魔界では、城の中に閉じ込められていた。
そして、シュウや善と婚約させようとしていたのは
魔界へ貢献させようとしていただけよ。
シュウも、自分で好きな人を見つけていくといいわ。
あたしの事なんて放っておいて」

「なっ」

「それに、魔界が今大変なことになっているという話だけど
シュウは、平気だったの?
それとも、治ったと言うの?」

「何で、それを知っているのですか」

「魔界の住人はここに来ていたわ
しかも、男に限ってなっていると。
それと、魔界の姫がいると」

「それは事実でございます。
魔界に姫がいるのは。
しかも奈未様の名前を使って好き放題しているのも
また、事実です」

あたしの名前を使って好き勝手している?

「魔界の男たちがその奈未様に釘付けになっていることを
魔界の女性たちは言っているのでしょう」

あ・・・
だから、あたしがここにいることに驚いていたの?

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