人間を好きになった、魔界の王の娘

「こっちの世界で暮らすのに、不便があれば
そこを調整していけばいいわ」

幼いころ、まだ廻が生まれて間もないころ
お母様だって廻を産んだばかりで調子いいわけではなかったはずなのに
あたしに人間界の事、勉強もいろいろと教えてくれてたっけ

「おい。俺は婚約だなんて認めねぇからな」

「何を言っているの。奈未ちゃんは、あんたよりも年下。
まだ、16歳なのよ」

「夢と同じ年なのかよ」

え?
夢・・・?
あれ?でもそしたら、彼は一体幾つなの?

「悠翔は今年19歳になるの」

19・・・?

「丁度、大学に通っているのよ」

そうなんだ・・・

「悠翔」

「なんだよ?」

「今日からお隣で、奈未ちゃんと一緒に生活をしたらいいんじゃない?」

「え?」
「は?」

悠翔君と言うことがかぶってしまった

「何で、俺がこんな女と」

「婚約者である、奈未ちゃんに向かってなんてことを言うの」

「あ、いえ。おじ様のいる場所を教えてもらえれば
そっちに住んでもいいかなと思っているので」

「いいけど、大我さん、自分の家族がいるから如何かしらね」

え?
でも、そうだよね。
おじ様だって、結婚していて、子供がいても可笑しくない状況なんだよね

「それに、隣の家は麗奈の名義になっているのよ。
だから、奈未ちゃんが住んでも、全く問題はないわ。
ただ、私が心配なのは、女の子1人で、戸建てに住むっていう事なのよ」


そっか。だから、悠翔君と一緒に住むって言ってくれたんだ
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