人間を好きになった、魔界の王の娘

「しょうがねぇな」

そう言って頭をかいてめんどくさそうに言ってきた悠翔君

「俺の生活に合わせられるんならな」

ん?悠翔君の生活?

「何言ってんの。あんたはただのサークルに、バイトでしょうが」

サークル?
バイト?
魔界では、聞いたことのない単語ばかりだ

「お前分かってねぇだろ?」

「ぅ…っ」

「バイトは俺の小遣い稼ぎの為に働いてんの。
サークルは、お前に言っても分かんねぇから言わねぇ」

何それ…

「悠翔のサークルはね。朝早い時もあるんだけど
奈未ちゃんは、朝早いの平気?」

「あまり得意じゃない」

寧ろ苦手な方かもしれない。
朝早くになんて、起きられる自信がない

「じゃ、無理だな」

この家に1人で住むしかないのかな

ガチャと開いたドアの先には優しそうな男の人が立っていて

「悠翔」

「げっ親父」

え?悠翔君のお父様なの?

「何でこんなに早いんだよ」

「言っただろう?今日は早いと。
しかし、悠翔が女の子1人をあの戸建てに1人で住ませるなんて
俺達はそんなに冷たい男に育てた覚えはないぞ」

「俺だって、そんなに優しくされた覚えはねぇよ」

こんな風に言いあうくらいなら

「いいです。あたし、1人で隣の家に住みます」

「ダメよっ危険だわ」

危険・・・?

「何かあったら危険だわ。
それなのに、悠翔は女の子1人で住まわせるなんてね」

「だーっうっせぇな!
わーったよ。住めばいいんだろ!?住めば」

そう言い切った悠翔君

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