人間を好きになった、魔界の王の娘
「こっちの世界の話って何」
「悠翔は知らなかったわね」
そう言ったときだった
「ただいまー」
と
複数の声が聞こえてきたのだ
「ママー」
そう言っておば様に抱き着いた小さな女の子
「ただいま。この人は誰」
「あんた達。お客様に挨拶も出来ないの?」
「は?」
挨拶をする気はないってか?
魔界の王族にいるあたしは、自分からとは教わっていないけど
「初めまして。"白井"奈未と申します。」
「白井・・・?」
「はい」
「お隣さんだよ」
「は?だって隣ってもう、何年も住んでないじゃん
しかも、名字だって違うし」
「この子の母親の家なのよ。隣の家は。
そして、この子がここにいると言うことは
この子が住むと言うことなのよ。
それに、この子は夢。あんたと同い年だよ」
「!?」
驚いている様子の少し派手な女の子
この子が夢と言うんだ
魔界に居たら、インキュバスもサタンも
この子を狙っていただろう
「それと、悠翔の婚約者だよ」
「は!?
こんな子が!?今までどこにいたかも言えないような子が
悠翔の婚約者だって言うの!?」