人間を好きになった、魔界の王の娘

「お前、俺がいない間、どこにいるつもりだ」

どこにって

「ここにいるつもりだけど」

「はぁ・・・」

何よ

「明日からは、俺がいない間は隣の俺の実家に居ろ」

はい?

「隣の?」

「他にどこがあるんだよ」

何処もないけどさ

「じゃ、俺は出かけてくるから。
飯ぐらい自分でできるだろ」

ご飯位、自分で出来るけどさ・・・

「じゃあな」

そう言って出て行った悠翔君
如何したら良いのか分からなくて

「お母様の部屋はどこだろ」

あまり大きくもないこの家にお母様は
いつまでいたんだろう?
だけど、ある部屋の一角に
あたしと同じくらいの写真があった

「これがお母様なんだろか」

「この人たちは一体・・・」

誰なんだろう?
でも、写真からでも嫌な気配はない

「奈未ちゃん」

「おば様。これは一体」

「麗奈の写真よ。一緒に写っているのは
麗奈のご両親と兄弟。つまり奈未ちゃんの祖父母。
そして、伯父に当たる人たちなのよ」

この人たちが・・・?

「両親はもう、他界しているけど
ご兄弟は健在よ?確か夢の通っている学校の教師をしているはずだけど」

え・・・?


「それにこの土地は、麗奈の名義になっているはずよ」

どうして・・・

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