人間を好きになった、魔界の王の娘
「ママー。お帰りなさい!そのお姉ちゃんはだぁれー?」
「夏希。このお姉ちゃんはお隣のお姉ちゃんなのよ」
「となりー?」
そう言った途端
上から悲鳴が聞こえて来た
「夢ー?」
おば様も上に行ったけどなかなか降りてこない
「夏希ちゃんはここにいてくれる?」
「はぁい」
きっとこんな小さい子だって、あいつ等は狙ってくる
夏希ちゃんの頭をポンっとやって、あたしの魔力で、守られるように
「ちょっと、上に行って来るね」
「うん」
上に行って開いている部屋を覗くと
案の定といったところだろう
「何で」
「あたしが人間界にいるのがそんなに不思議?」
「だって、魔王城から滅多に出てこない
魔王の娘がここにいるんだよ!?」
「あたしがどこに行こうが自由でしょう?
それともあたしがここにいなかったら
この子を魔界に連れて行く気だった?
インキュバスの嫁?それとも、サタンの嫁にするつもり?」
「え・・・・?
どういう事よ」
「昼間に言ったでしょ?次に狙われるのは
貴方だって。こいつらはすでに昼間にこっちに来てた。
しかも、この家のすぐそばに」
「「!?」」
「な、夏希!」
「夏希ちゃんは大丈夫。あたしの魔力で、守っているから」
「そう・・・」