人間を好きになった、魔界の王の娘
3
「馬鹿ねー。悠翔好みの女にしてやるのよ」
「は?」
「明日は、悠翔の好みの服を買いに行くんだから」
「なるほど。
一緒についていこうか」
「大丈夫よ。パパもいるし」
ちぇっ
そう言った夢
リビングに通されたあたしに
次々と運ばれてくる料理たち
「あの・・・」
「引っ越し祝いよ」
引っ越し祝い・・・?
「で?肝心の悠翔はどうしてるの」
「出かけてるんですって」
「は!?婚約者おいて1人で出かけて行っちゃったの!?」
アハハ・・・
「電話かけてやる」
そう言って電話を掛けた夢
何かを話しているのは分かるけど、
内容までは分からない
「お待たせ」
「悠翔は?」
「今頃慌ててるんじゃない?」
「は?」
「嘘を言ったの。奈未ちゃんが家から飛び出していったってね」
飛び出したって・・・
「どう来るか楽しみじゃない?」
「確かに。でもその前に」
その前に・・・?
「奈未。着替えるから来て」
着替えるの?
別にこのままでも
「だーめ」