人間を好きになった、魔界の王の娘

「無理よ。魔力のコントロールは、出来ない」

「!?」

驚いた顔をしているお父様

自室の端に置いてある荷物には気づいていないようだ

「もう、これ以上あたしに婚約者を増やさないでください。
この城から出て行けと言うのなら、そうします。
ですが、婚約をしろと言うのなら、あたしには、早すぎます」

「・・・」

そう言い切ったあたしに何も言わなかったお父様は
少しは諦めてくれただろうか?

「お父様」

「廻か」

「はい。サキュバスが戻ってまいりました
魔界の子を宿して」

「ほう」

「王にお会いしたいと、申しておりますが」

「では行くとしよう」

そう言って出て行った、お父様と廻
何で、お母様は、お父様と結婚したんだろ?
反対までされてまでする必要なんてなかったはずなのに

廻にはきっとばれているのかもしれない。
あたしは、この城から出て行こうとしているのが

自室から出て歩いていると
あまり顔色の宜しくない、お母様の姿

「お母様?」

「触らないで。奈未」

え?
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