人間を好きになった、魔界の王の娘

食事を終わらせて、悠翔君と一緒に帰ってきたあたし
帰ってきたと言っても、家が隣だからすぐなんだけど

家に入ってすぐ
お母様の部屋だった場所に向かう

「"お前はここを出たら、魔王の娘ではなくなるのだぞ!?"」

分かってた。お父様がそう言う風に言うことなんて
分かり切ってた

だけど、婚約をしたところで
魔王の娘という肩書を見ないで婚約してくれる魔族なんていなかった
あたしに近づいてくるものは皆(みな)
あたしと婚約をすれば、次の魔王候補に選ばれるからだ

それでも、順位的には廻が優位なのだけど

写真を見ると、お母様の両親・・・
あたしの祖父母だと教えてくれた

「会ってみたかった・・・」

でも、こんなあたしを2人は拒絶するだろう

お母様の兄弟がいることも教えてくれたおば様
きっと、桜木大我と呼んだ人物が、お母様の兄弟の1人だろう
確か悠翔君の大学の理事をしてるって言ってたっけ

でも、大学なんてどう入ればいいの?

「奈未」

「え?」

「ほら。これやる」

そう言って渡された紙袋

「これは?」

紙袋の中身は、良く分からない服が

「制服だ」

「制服?」

「あぁ。どうせ、学校に行かせるだろ。お袋の事だし」



「とりあえず、今日はもう休め。
俺も寝る」

俺も寝るって・・・
どこに寝るつもりなの?

お母様の部屋を出て隣の部屋に行くと
また違った感じの部屋があって

「ここは・・・」


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