人間を好きになった、魔界の王の娘

翌日、普通にお母様の部屋にあった服に着替えて下に行くと
まだ寝ているのか起きてきた様子のないリビングにあたしが
1人いるようなもんだ

「おはよ。これに着替えて」

朝早くに来てくれた夢ちゃん

「これって」

昨日、悠翔君があたしに渡してくれたやつだ

「言ったでしょう?一緒に学校に行くって」

そう言えばそんな事言ってたっけ

「この制服はねー。昨日悠翔が」

そう言ったタイミングで起きてきた悠翔君

「うるせぇぞ。夢」

「??」

悠翔君が昨日・・・?

「いいじゃない。本当の事でしょう」

「知らない事や、言わなくていいことだってあるんだよ」

知らないことに
言わなくていいこと・・・か

そうだよね。
あたしなんて、信用なんてされてないんだもん

「それより、早く着てきちゃって!」

そう言って急かされたあたしは
入れられた部屋で着替えてみるけど

「短い・・・」

魔界でも、こんな短いスカート、履いたことがない

「奈未ー?支度・・・」

そう言ってドアを開けた夢ちゃんは

「ダメだ。こりゃ狙われるかもしれない」



「おい。いい加減・・・」

「アイツ・・・」
< 33 / 138 >

この作品をシェア

pagetop