人間を好きになった、魔界の王の娘

「まぁ、考えておいてよ。姉さん」

はい?

「魔界に帰ってくるって話」

「あたしは、今はまだ、帰る気はないとさっきも言ったでしょう?」

「うん。だから期間は1年」

1年・・・
つまり、先は短いと言う事か

「もし、姉さんがこの人間界で本気で
好きになったやつが出来た時は
潔く俺が諦めて、魔王城で、あの魔界で。魔王になると約束する。
だけど、そうじゃなかったら」

そうじゃなかったら?

「姉さんが嫌がっても、何をしても
姉さんに関わったすべての人間から
姉さんの記憶を消して、魔界に連れ帰るよ」

!?
あたしが嫌がっても・・・か
廻は、本気で迎えに来る気なのだろう

「まぁ、この場所にも、魔界の人間はいる見たいだけど」

!?
やっぱり、廻も気づいていたと言うの?
この場所に魔界の人間がいると言うことに
でも、魔力量の多い廻はすぐに気づいていた可能性があるか

「廻。1年後、もし、何も変わっていなかったら
その時はあたしも潔く諦めて
魔界に帰って、お父様の決めた人と婚約するわ」

「そう言ってくれて助かるよ」

そう言った廻は
魔界へ帰るのだろう
魔界への門を開いていった廻
それを見送った後
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