人間を好きになった、魔界の王の娘
ガチャと開いたドアから出てきた
人物からは、魔力を感じられる
「まさか、人間界で生活をするとは想像もしませんでしたよ。姫様」
「何で、善(ゼン)がここにいるの」
「何でって。姫様の一応は、婚約者候補の1人なんで。俺も」
!?
善が婚約者だと言うことは
悠翔君と破棄したら、正式にコイツと婚約する可能性があると言うことだろう
「せいぜい、1年でどれだけ今の婚約者と
上手くいかないか、見ものだな」
「・・・っ」
何で、悠翔君と婚約していることを知っているの
「お前、俺がインキュバスであることを忘れてないか?」
サタンではなく、インキュバスだったか
「それにしても、お前が女子高生ね」
何よ?
「魔界では、紺なのねぇから。
お前が着てると、新鮮だわ」
魔界では、紫だの。黒だの
ダークカラーのドレスしかないから余計だろう
「しかし、女王陛下もよく、お前が人間界に来ることを許したな。
魔王様が許されるはずがないだろうから」
「魔王城を離れたら、あたしは、魔王の娘ではなくなるそうよ。
つまりは、親なし子と大して変わりはしないでしょう?」
「何を言っている」
「魔王である、お父様がそう言ったのだから
間違いないでしょう?
それなのに、連れ戻したいなんてムシが良すぎるのよ
魔力量の少ない、あたしなんて放っておいてくれればいいのに」
「姫様は何かを勘違いしているようだ」
あたしが勘違い?