人間を好きになった、魔界の王の娘
それってどういう事?
そう聞こうとしたのに、どこからか
鐘の音がなっていて
「では、姫様。一度教室へ戻りましょう。
ここにいる間は姫様とは呼べません。ですから
候補とはいえ対等に扱わせていただきます」
対等ね・・・
「善」
「はい」
「今ここで、善と婚約破棄を申し入れたいと言ったら
善はどうする」
「俺がそれを、はいそうですか。って聞き入れるとでも思っていますか」
そう、よね。
魔界の者が簡単にはい、そうですかって聞き入れてくれるはずがない
「では、教室へ行きましょう」
そう言って、先にあたしを屋上から出してくれた善
でも、あたしが何を勘違いしているのか分からないまま
教室へ着いてしまった
「あ、もうっ奈未ッてば初日からどこに言ってたの」
「屋上」
「屋上?」
「誰にでも、1人になりたいと思う時があるでしょう」
「そうだけど。それでも
ここにも"オオカミ"がいる事、忘れないでよ?」
そう言って、さっきと同じメンバーの所へ行ってしまった夢ちゃん
夢ちゃんには、分からないよ。あたしの気持ちも何もかも
親の愛情も、兄弟の愛情も。1人ではいない人だもん。
あたしのこんな気持ち分かるはずがない