人間を好きになった、魔界の王の娘

教室から戻ってきて数分後
善が、この教室に入って来た

「あー。まず、こんな時季外れの転入生だが
皆、良くしてやってくれ。」

そう言ってあたしを紹介した善
別に良くしてくれなんて。誰も頼んでないんだけど
夢ちゃん以外は皆ふーんって感じ
夢ちゃんはきっと家がお隣だからしょうがないんだろうけどさ
ここに悠翔君がいたら、どうでもよさそうにしてたんだろうな

たった1日で、悠翔君の事が頭から離れないなんて
どうかしているわ。
魔界でも、今まで会ったことのある婚約者の顔なんて
すぐに忘れることが出来たのに
それなのに、悠翔君の顔が浮かんでくるなんて

「しょうがないなぁ」
そう言ってくれてくクラスにいる子たち

「それと、今日はこれから鳳凰祭の出し物を決める」

鳳凰祭?
出し物?
何それ

「えー。めんどくさいやつじゃん」

めんどくさいんだ

「あ、ならさ。メイド&執事カフェは?」

「やだやだ。誰が料理すんの」

「作るんじゃなくて、お菓子の実の提供でさ」

「なら、駄菓子屋でもいいじゃん」

そんなことを言い合ってるのに
あたしには何も分からないことだらけだ

「ならさ、駄菓子屋で、着るものを
メイドや執事にすればいいんじゃね」

「おー。それでいいか」

ふーん
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