人間を好きになった、魔界の王の娘
「奈未~」
「んー?」
「悠翔にも来てもらうからね」
悠翔君に?
それってどういう事
「一応、あたし兄妹だし。招待客の中には
確実に入れるんだ」
そうなんだ
あたしには、招待客を送ることすらできないんだもんなぁ
「で、奈未には確実にメイド服を着てもらうから」
はい!?
というよりも、メイド服って何!?
魔王城にも使用人は多くいたけど
まさか、使用人と同じような服を着ろと言うの?
何かを持って来た女の子
「桜木さん。これでちょっと、図らせてもらうから」
「え?」
「勿論、夢。あんたのも図るからね?」
「な!?」
顔を赤くした夢ちゃん。
「アイツには見られたくない」
「アイツ・・・?」
採寸されながら、夢ちゃんの言った
アイツという言葉
「内緒ね。夢、ここの理事長が彼氏なのよ」
!?
随分と年上の彼氏だことで
でも、魔界の者と一緒になっても年上であることには変わりはないのか
なら、この間サタンにでも渡してしまえばよかったかしら
でもそんなことしたらおば様や、悠翔君にも
嫌われてしまうか。
悠翔君はあたしの事を毛嫌いしているようだけど
「アキ。奈未のメイド服なんだけど」