人間を好きになった、魔界の王の娘

一通り採寸が終わったらしいアキちゃんの
手元には、一人一人の採寸したメモなのか
分厚いものが

「これは?」

「採寸した個人のノート」

へぇ

「桜木さんのもちゃんと作ってあるから
安心して大丈夫だよ」

あたしのも?

「個人個人に合わせて作るの。
家はさ、お母さんがデザイナー会社の社長だからさ
こう言ったものも作ってくれるんだよね」

デザインの会社なんてあるんだ

「この学校の制服も、この学年から
制服のデザインが違うの」

へ?
他の制服を見ていないから、何も言えないけど
この子が言うことだ。
本当なんだろう
夢ちゃんが言ってもきっとあたしは信じていないかもしれない

「じゃ、あたしは一度お母さんの会社に行かなくちゃいけないから」

「もう!?」

「うん。だって、このデザインをもとに
色々と他のデザインも、色も入れて行かなくちゃいけないから」

色まで入れるんだ

「あたしのは、紫っぽいのがいいなぁ」

「紫?」

「そう。好きなの。紫」

「分かった。なら、紫入れてみるね」

「ありがとう」

「意外なものを聞いちゃった」

え?
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