人間を好きになった、魔界の王の娘
4
あれから準備も着々と進んでいる
悠翔君とは、何の進展もないまま
1週間が過ぎてしまった
あたしには、時間がないのに
どうすればいいんだろう?
「奈未?」
「んー?」
「あんた、顔赤いけど、大丈夫なの?」
あはは
朝からだるかったんだよね。
今までこんなことなかったから
普通に学校に来ちゃった
「センセー」
「おー」
丁度よく来た善に声をかけてくれたアキちゃん
「奈未。顔が赤いんだよねぇ」
「は?」
そう言って近くに来てくれた善
「お前・・・」
そう言って抱えてくれた善が
向かったのは、保健室
「ここなら大丈夫だろう。
お前、魔力が不足しすぎだし、
人間どもの熱にやられただろ」
そう、かな
「あまり、出ないんだけどなぁ」
「あ?」
「何?」
「出ねぇってどういう事?
魔界の人間は、必然的に魔力の集まる場所に
1週間に最低でも1回は行かないと
こうなるって知ってるはずだろ」
「うん。知ってる」
「だったら」
「だから、こそ。
自分の魔力の限界を知ってみたかった」
「!?」