人間を好きになった、魔界の王の娘

「姫。先に食事をしていてください」

「え?」

「俺は魔王様と話をしてまいります」

お父様と、話を?
何を言っても聞き入れてくれないお父様と
何を話すと言うの?

善の作ってくれたご飯を食べている間も外を覗くけど
皆この家に見向きもしない。
寧ろ、この場所がないような感じなそんな感じだ

「お待たせいたしました」

「随分早かったのね」

「そうでもないですよ。
姫様。魔王様からの伝言です。
麗奈様を暫くこちらに戻すとのことなので
麗奈様と一緒に住まれてはいかがですか」

お母様がこっちに来るの?
麗奈様は、奈未様を産んだ後も
廻様をお産みになった後も、度々
魔王城での魔力に耐えられず体調を崩していたそうです
今回もその関係だろうと。
人間界に戻ってくれば良くなっているので
今回もそのようにすると」

そう・・・
でも、あの家には悠翔君も一緒に住んでる
お母様はどうするつもりなんだろう

「今、姫様が住んでいる場所で生活をしていればいいのでは
良いのではないでしょうか」

あの家で、お母様との生活・・・か
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