人間を好きになった、魔界の王の娘

「確かに、教育実習であの学校にいることは事実だ。
だが、水上にも彼氏はいるぞ？俺じゃない男だ」

「アイツ、そんな事」

「そう、簡単に言えない立場の人間だってことだ
それに、コイツは病み上がりだぞ」

「あ？」

「具合悪い中、学校に来させるなよ」

「な・・・」

「ずっと、保健室で寝かせてたんだ。
起きなかったから、飯食わせて連れて帰って来たんだろうが」

「そうかよ」

「それに、そろそろ鳳凰祭の時期だぞ？」

「もうそんな時期なのか」

「あぁ」

「お前も注意しておいた方がいいぞ。
今日、コイツのクラス採寸してたからな」

そう言ってあたしを見て来た善

「何で採寸」

「さぁ。それは俺からは言えない。
当日のお楽しみだ。
じゃあな。桜木」

「あ、はい」

「明日は休め。まだ、本調子じゃないだろうからな。
悠翔。お前も気づいてやれよ」

「うるせぇ」

そう言ってドアを閉めた悠翔君は
善の車を見送った後
直行でお風呂場まで連れて行った