人間を好きになった、魔界の王の娘

あのまま寝てしまったあたし
ハンガーには、乾いていた制服が干してあって

「あたしの洗い方じゃない」

と言うことは、お母様がこれを洗ったと言うの?
あんなことを言ったのに・・・

「バカみたいじゃない」

一人で、そうつぶやいた時に出てきた善。

「姫様?」

「善?」

「悠翔が外に来ていますが」

悠翔君が・・・?
どうして?
こんな朝早くに来ることなんてないのに
朝が嫌いな悠翔君が出来る行動じゃない

「どうしますか?」

「会いたくない」

きっと、お母様に言われてきたんだろう。

「分かりました。悠翔には俺から伝えておきましょう」

「でも」

「大丈夫です。
暫くしたら、悠翔も諦めるでしょう」

諦めてくれればいいのだけれど・・・
きっと彼は、あたしが帰るまで諦めないだろう

外に行った善を見ていると
何かを言いあっているような感じの2人

諦めて戻ってきた悠翔君

「姫様」

「んー?」

「今日は学校を休んで、悠翔と話をしてきてください」

悠翔君と話?
どういう事?
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