人間を好きになった、魔界の王の娘
「悠翔は本気で、姫様を迎えに来ているようです」
本気で、あたしを迎えに来るって何?
「悠翔も、高校を出て直ぐにあの家を出ている。
1人暮らしをしている男です」
!?
悠翔君が1人暮らし?
そこに彼女でも呼んでるのかな
「姫様が思っているようなことはないと思いますが」
「何で」
「悠翔は、本気の女を作らない主義です」
本気の女を作らない主義?
「後腐れない方が悠翔はいいみたいで」
そうなんだ・・・
あたしもその中に入ってる1人だってことでしょう?
「それに、きっと悠翔は」
悠翔君?
「悠翔は、姫様をあの家にでもこの家にでもなく
悠翔の家に連れて行きたいんだと思いますよ」
「!?
悠翔君の家ってどういう事」
「昨日、母親がいる間はあの家にいたくない。
そう言っていたのを悠翔には伝えてあります。
ここに来ているのは、少なからず悠翔の意思も大きいでしょう」
悠翔君の意思?
「俺的には嫉妬している悠翔を見ているのが
楽しいので、そのままこの家にいて頂いても構わないのですが
悠翔はそれを許してはくれないでしょう」
そんなの、あたしには
「後は姫様次第です」
「あたし次第?」