人間を好きになった、魔界の王の娘

「姫様が、ここに残ると決めれば、その意思を俺は尊重して
悠翔にも、そのように伝えますが
悠翔の所に行きたいのなら、この制服をもって、悠翔の所へ行ってください」

「・・・!?」

あたしは、どうしたらいいの?
すごく迷っている自分がいる。
悠翔君の所にも行きたい。
でも、行くのが怖い自分もいる

「おい。まだ決まらねぇのか」

「!?」

外にいるはずの悠翔君の声が聞こえるなんて可笑しい

「お前、もう少し待てねぇのかよ」

「これでも待った方だ
奈未は連れて帰る」

そう言ってグイっとあたしの腕を引っ張った悠翔君

「ちょっ」

「はいはい。なら、桜木の制服も、持って行け」

そう言って渡してきた制服

「どうせ、お前のマンションに連れて帰るんだろ?」

「あぁ。母親が嫌なら、しょうがねぇだろ?
俺ん家にも昨日もあの後からずっといるんだけど。
お前の事、どうでもいいようには見えなかったぞ」

外面だけは相変わらずいいんだね
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