人間を好きになった、魔界の王の娘
6
何で、外面がいいにもほどがある
あたしの為に泣くなんて
今まで、魔界でもしてくれなかったじゃない
悠翔君と歩きついたのは、悠翔君の家
「は、悠翔君」
「お前の母親は隣の家にいる」
え?
「でも、それでもお前が母親に会いたくないなら
暫くここに住んでてもいい。俺のマンションに来たって構わない」
「何、言って」
「すべてはお前次第だっていう事だ」
!?
全部、あたし次第で決まってくると言うの?
「お前の母親は、体調が戻り次第
お前がいた世界に帰っていくらしい」
「そう」
お父様も廻もいないチャンスなんてそうそうない
お母様の本音を聞き出すいいチャンスなのかもしれない
でも、その本音も聞きだすのがものすごく怖い
「俺もここにいる。
何かあれば、ここに帰ってくればいい。
だからお前は、母親と話をしてみろ」
で、でも・・・
そう言われても怖い物は怖い
「話してみるよ」
悠翔君に見送られながら家に帰ってきてしまったあたし