人間を好きになった、魔界の王の娘

「魔王城に閉じ込めたのは私なのよ。
魔界のハーフでは、どちらかに似ると言われているの。
奈未は、私に似て魔種族ではなく人間に似てしまったの
廻は違った。魔種族の血を色濃く継いでしまった。
私は、2人共人間に近くてもいいとも思ったのよ。
貴女に冷たく当たったのは、あそこの世界が
魔界で魔力の少ない奈未にはあの世界では生きていくには
不憫だと思ったからよ。
だから、嫌われてでもいいから奈未を私の手で
人間界に送ってあげたかったの」

そう、だったの?

「凌は、それでも奈未よりも魔種族の血の濃い種族である
インキュバスやサタンを使って
魔界を活性化させようとしていたみたいだったけど
廻も継ぐか分からないと言うのに、凌1人張り切っているんだもの」

確かに。お父様はあたしによく
お見合い話を持ち掛けていた

「奈未が自分で人間界に行くと言ったとき
正直嬉しかったのよ」

え?
あたしが人間界に来るのが嬉しかった?

「だって、これで凌の束縛からも
逃してあげることが出来ると思ったから」

お父様からの束縛・・・?

「覚えておいて奈未。あたしも凌も
決して貴女を嫌っているわけではないと。
大事な娘だから、他の魔種族と接触して、貴女が
他の種族の魔力量に当てられて倒れてしまわないか
凌はそれが心配だったのよ。
インキュバスやサタンなら、魔力量を自分で抑えて生活をする事も出来るからと」

そう、だったの・・・?
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