人間を好きになった、魔界の王の娘

「お前の母親から、自分がいたら
あの家に帰ってこれないだろうからってな」

そうなんだ

「そう」

「奈未はそれでいいのか?」

「え?」

「悠翔は、こう言ってるが、別にここからでも
学校には通えるぞ?」

そっか。善のこの家からでも通えるんだっけ

「なら、俺がこの家に住むぞ」

「お前は自分のマンションに帰れ」

「あ?ならこいつも連れて帰るに決まってるだろ」

そう言って、あたしをぐっと引き寄せた悠翔君

「は、悠翔君?」

「姫。ちゃんと見てくれているじゃないですか」

「へ?」

何が何だか分からない状況でそう言われても

「姫は、姫のままでいいんですよ」

「あたしのまま?」

「そうです。ただ、そうやってため込みすぎるのがよくありません
程よく、言って行かないとまたこうやってなってしまうでしょう?」

そう、なのかなぁ

「俺は、地でも歓迎しますけどね」

「それは婚約者として?
1人の魔種族として?」

「両方ですよ」

両方・・・か
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