人間を好きになった、魔界の王の娘

よっく朝起きると、
あたしはベッドの上で寝ていて
しかも、魔王城でもこんないいベッドを使っていなかった

「起きたか」

「お、おはよう、ございます」

「あぁ」

悠翔君を見ると、お風呂から出たばかりなのだろう
下しか履いていなくて、上半身裸でいると言うスタイル

「お前の母親は、やはり当分は帰らないそうだ。
だから、帰るまでの間。このマンションに住んでいろ」

お母様は帰る気がないんだ

「あ、ありがとう」

どうやったら、魔界に帰ってくれるだろうか
あたしと、お母様が一緒にいなくて済む方法はこれなんだろう
でも、お父様や廻は違う。
魔界のゲートさえ開いてしまえばどこへでも向かえてしまう。
その気になれば、いくらあたしが嫌がっていても
魔界に連れ帰ることは可能だ。
お父様が、魔王の娘でなくなると言っても

「奈未」

「ひゃいっ」

「これから、夢がここまで迎えに来るそうだ」

夢ちゃん?

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