人間を好きになった、魔界の王の娘
低い声が聞こえたと思ったら、無造作にセットされている髪の毛を
靡かせて、制服を物凄く着崩している
「燿、君?」
の姿が
「そ。俺、学校の通り道なんだよねー
で?夢は?」
「先に中に行っちゃった」
「は?」
呆気にとられたような声を出した燿君
「ならさ、今日学校サボっちゃえば?」
サボる?
「どういう・・・」
「俺と2人で遊びに行くって事。
家にも帰りたくないんでしょ?
夢は先に中に行った。と言うことは
奈未ちゃんの監視の目は今はどこにも無いわけだ」
「!?」
「だったら、俺と遊びに行こうよ」
そう言ってあたしの手を掴んできた燿君
「おい。水上」
「何?」
今まで以上に低い声を出してきた燿君
「お前が何で、ここの、この転校生の事を知ってるんだよ?」
「分かんない?
同じ"水上"が学校にいて」
「あ?」
「夢は、敵意丸出しだからしょうがないけど
奈未は俺の幼馴染。手を出すなら容赦はしないよ?」
「くそっ」