人間を好きになった、魔界の王の娘

「ミスコン・・・?」

「そ。ミスコン。俺が用意するから
出場してよ。兄貴にも内緒にしてさ」

悠翔君にも、内緒?

良く分からないけど燿君がそう言うなら、やってみようかな
その、ミスコンがどんなものか、良く分からないけど

「分かった」

あれ?でも、燿君夢ちゃんの事

「ひ、燿?」

「ん?何で疑問形?」

「1つ聞いてもいい?」

「どうぞ?」

「なんで、夢ちゃんの事、"アイツ"とか"お前"って呼んでるの?」

「あぁ」

ダイキ君がお腹を抱えて笑い始めてしまった

「俺さ、兄妹の中で唯一夢だけが嫌いなんだよね」

へ?夢ちゃんが嫌い?

「で、由香も嫌いではないだろうけど、それでも
夢とは一線置いている」

そうなんだ。

「俺は夢の名前を呼ぶことすら嫌いだからな。
本人もそれに気づいているんだろ。
だから、学校のあの狸と一緒にいられるんだろ」

タヌキ・・・?

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