人間を好きになった、魔界の王の娘
「今は、どこにいるの?」
「え?」
「昨日、桜木の家・・・つまり俺からしたら隣の家だね
出て行ったでしょ?その後、どこに行ってるの?」
「どこも・・・」
「まさか、野宿!?」
ノジュク?
「ノジュクって何?」
「公園とかに寝泊まりしてるわけじゃないよね?」
寝てる場所?
「悠翔君の家に・・・」
「兄貴の所にいるんだね?」
「はい」
「でも、それがいいかもね」
「え?」
「だって、俺の家に来て見なよ。
毎日アイツに会うってことは、毎日奈未ちゃんは
アイツに何かされるかもしれないってことなんだよ」
へ?
「でも、まぁ、それを学校でもつけてていいよ」
そう言った目線の先にはあたしの腕に着けたもの
「で、でも」
「男除けにはなるよ?」
オトコヨケ?
「朝みたいな男に引っ掛かったら大変でしょ?
俺も一緒に行けるわけじゃないし、
アイツが1番頼れねーし」
あぁ・・・夢ちゃんの事ね
「それ付けてれば、奈未の行ってる学校でも
奈未に手を出すバカはいないから」
あたしに、手を出す?
「分かってないでしょ。
まずそのブレスレットは、この学校の
生徒会の人間が持つ物。
そのブレスレットを、他校生、しかも
女の子がつけてるってなれば、誰かの女であることを示す。
しかも、その金色のブレスレットは、生徒会長である、俺の色。
牽制にもなるしね」
「そ、そうなの!?」