秘密の秘密は秘密じゃないのかもしれない
2人でまた手を繋ぎぷらぷらと散歩しながら帰ろうとすると途中にかき氷屋さんがあるのを見つけた。

私がいつも歩く時には気がつかなかったのに。

2人の目が合うと立ち寄るべく方向を変えた。

手作りシロップが何種類もあり選べるようだ。周りを見渡すとかなりかき氷が大きいようなので2人で1つを頼む。味は定番のイチゴと日向夏を半分ずつかけてもらった。

「美味しい!いちごは甘いし果肉がゴロゴロ入ってますね。日向夏はさっぱりだけど香りがいいですね!」

「あぁ。美味しいな。贅沢なかき氷だな。」

「本当に。近所なのに知らなかったなんて。もうここに何年も住んでるんですよ。もったいないことしました。」

「まだまだ食べられるさ。夏の間にまた来よう。」

「そうですね!次は違う味も食べてみたいです。」

「よし!じゃ、また来よう。」

身体が涼しくなりとても元気になった。
雅臣さんの手を握りまた歩きだした。

家まで遠回りしてのんびりと帰宅した。

私は食材を冷蔵庫へしまい、家で映画をみることにした。
私も雅臣さんも何となくこれかな、と指さした作品が一緒だったことが嬉しい。
2人でベッドに寄りかかり映画を観た。
途中から雅臣さんの腕に肩を抱かれて、包み込むような温かさに映画だけでなく私の心をドキドキさせた。

映画を観終わると洗濯をしまい畳む。
旅行に行った分もあり久しぶりにたくさんあった。
私は下着を見られたくないって言ってるのにわざと畳むのを手伝う雅臣さんはちょっとだけ意地悪だと思う。

2人で夕飯も作り、なにもかもずっと一緒だった。

明日でこの生活が最後かと思うと益々寂しく感じる。 

ベッドに入ると私から雅臣さんにくっつき、胸に顔を寄せた。
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