秘密の秘密は秘密じゃないのかもしれない
翌朝目が覚めると雅臣さんは朝食の準備をしていた。

「真帆、フレンチトーストができたよ。」

「凄い!今着替えてきます。」

「そのままでもいいけど。」

「バカ。」

私は着替えると雅臣さんが作ってくれたフレンチトーストを頬張った

甘くてふんわりして優しい味がした。
雅臣さんそのものだった。

美味しくて嬉しく朝から幸せな気持ちになった。

「真帆。俺、今日は帰らないと行けないよな。」

「そうですね…。」

「ああ。ずっと一緒にいたいのに。」

そう思ってくれてると思ったら嬉しくて涙が出てしまった。

「真帆?」

「ごめんなさい。雅臣さんにそう言ってもらえて嬉しくて。」

「真帆は可愛いな。」

「雅臣さんはいつもそう言ってくれますね。嬉しい。」

頭を撫でられ、雅臣さんの手にホッとする。
でもこんなに依存してはダメだわ。

「雅臣さんにそう思ってもらえてるってわかって嬉しかったです。でも仕事ですもんね。帰ってしまうのは仕方ないです。また……遊びに来てくださいね。」

「あぁ。もちろん。」

「何時に帰りますか?」

「準備もあるし、携帯ではチェックしてたがすこし仕事をし始めないといけなさそうだから3時くらいかな。」

「じゃ、お昼は私が作りますね。」

「ありがとう。」

「さて、じゃあ洗濯しようかな。私も明日からの仕事に向けて動かなきゃ。」

「よし、手伝おう。洗濯は任せろ。」

「結構です。」

私たちは目を見合わせ笑いあった。
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