秘密の秘密は秘密じゃないのかもしれない
お昼ご飯を作りながら明日からのお弁当に向けて惣菜を何種類も作り始めた。
もともと週末にまとめて作ってそれを平日のご飯にしたりお弁当にしたりしていた。

雅臣さんにも何種類か持って帰ってもらえたらいいな、と思い午前中は料理に明け暮れた。

お昼ご飯には合間で冷やし中華を作った。

その間、やはり気になり始めてるのか雅臣さんはメールをチェックしたりし始めていた。

私は自分の分とは別に保存袋にいくつも日持ちするおかずをいれ冷蔵庫にしまった。

「雅臣さん、お昼ご飯できましたよー。」

「ありがとう。お、今年初の冷やし中華だ。」

「私もです。」

「さぁ、食べようか。」

2人で向かい合って食べ始めた。
食べ終わると洗い物は雅臣さんがしてくれた。

「真帆、ちょっと出かけない?本屋に行きたいんだ。」

「え?うん。いいですよ。」

「じゃ、車をこっちに回してくるわ。」

「分かりました。」

すぐに出かける支度をするとすでに車を回してくれていた。

「ゆっくりでよかったのに。まだ車の中暑いだろ?」

「そんなの大丈夫です。雅臣さんだって暑い中車取りに行ってくれたのに。」

「いや、俺は大丈夫だよ。」

「どこまでいきますか?この辺りだと新宿か仙川あたりだと大きな書店がありますよ。足を伸ばすなら吉祥寺とか?」

「明日からのことを思うと都心に行く気にはならないな。」

「じゃ、仙川ですかね。」

「よし、近いしそうしよう。」

2人で車で仙川へ向かう。
近くに停め、自然と手を繋ぎながら書店へ向かうと仕事に使いそうなところのコーナーへ向かう。
私は補佐のため仕事のために勉強したことはなかった。言われたことをこなすことしかしてこなかったことを恥ずかしく思った。
これで定年まで呑気に働くつもりだったなんて…。
営業がこういう努力をして手に入れてきた取引先なんだと思うともっと頑張らなければ、と思った。
雅臣さん達営業が仕事をしやすくなるよう今以上に努力しようと思った。
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