秘密の秘密は秘密じゃないのかもしれない
午後も営業が持ち帰ってきた仕事を分担し、美花ちゃん、春子ちゃんも残業しなんとかキリのいいところまで終わらせ帰宅した。

流石に休み上げで疲れてしまい私はお風呂に入り、ご飯を食べるとすぐに寝てしまった。

翌朝、出勤するまた電話が鳴り続けている。
対応がさまざまで美花ちゃんや春子ちゃんも席を外す方が多くなった。

私も電話を中継ぎしたり、私でできることは対応したりと慌ただしい。

今日もお昼をみんなでずらしていくしかなかった。

今日は私が1番に行くことになった。
社食へ行くとちょうど橋本くんが食券を買っているところで今日も一緒に食べることになった。

「今日は何にするの?」

「カツ丼。杉原は?」

「うーん。コロッケかな。」

「いいチョイスだな。俺も悩んだ。ちょっとくれよ。」

「いいよ。私にもカツ一切れちょうだいね!」

「オッケー」

先を見つけ座ると雑談が始まる。
橋本くんは夏休み中暇でずっと1人キャンプしてたって聞いてびっくりした。

「お一人様キャンプ?!斬新。私でもそれは閃かなかったわ。」

「女はやめとけ。」

「ま、そうだけど…でもキャンプとか楽しそう。車の中で寝ながら北海道1周とかしてみたいな。」

「俺やったことあるよ。サイコーだった。行った甲斐あったよ。またやりたいけどたくさん休みがないとただ車を走らせて終わりになる可能性があるからさ。それじゃ意味がない。食べたり遊んだり、のんびりしたり…それこそ贅沢な旅行だと思ったよ。気ままな旅行、最高だよ。」

「憧れる!!!橋本くんのこと見直したよ。そんなことするなんてさ。」

「そうか?」

「今回はどこに行ったの?」

「長野の方に行こうと思ってさ。そばを食べようしか考えないで行ったんだ。」

「え?!」

「星空も見たいし、美味しいパンが食べたくてさ。それに川遊びが出来るからカヌー乗ってきたんだ。」

「そうなの?!」

「あぁ。お前が暇なら行くかな?と思って電話したんだけどさ。」

「そうだったの?ごめんね。でも楽しそうでいいね。」
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