秘密の秘密は秘密じゃないのかもしれない
今日も頑張って働いたが残業になってしまった。

さっきまで美花ちゃんも春子ちゃんもいたが帰ってもらった。
私もあと30分もすれば終わりそう。

一度伸びをしてまたパソコンに向き合うと橋本くんが営業から戻ってきた。

「お疲れさま。」

「杉原まだいたの?」

「うん。あと30分くらいかな。」

「そうか。俺も持ち帰った伝票処理しないと…。先週楽しかっただけに仕事がキツい。」

「何か飲む?買ってきてあげようか?」

「マジで?ビールと言いたいけどダメだから炭酸。」

「了解。私も飲みたかったから買ってくるね。」

私は自販機で炭酸2本買った。

「はい、どうぞ。」

「サンキュー。これお金。」

「いいよ。このくらい。一生お世話になるし。」

「もうおひとり様じゃなくなるんじゃないの?」

「そんなのわかんないじゃん。言わせないでよ、こんなこと!」

「ま、そうだな。人生何があるかわからないからな。」

「縁起でもない…とも言い切れない?」

「杉原らしいよ。陽気なようで石橋叩いて渡るところもあり、でも鈍感?」

「褒めてるのか貶されてるのか分からない評価だね。」

「ま、総合的に悪くないよ。」

「ありがとうございます。」

私達は笑い合って仕事を再開した。

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